


早朝、父と子が海へ行きました。
防寒着をまとい 首にタオルを巻き 長靴を履き 懐中電灯とバケツを持ち そっくり同じ出で立ちで出掛けました。
長男にとって 父親はカリスマ的存在です。
幼少の頃から しつけと称してかなり厳しい仕打ちを受けていますが 夫が外出する時はぴったりくっついて行きます。
長男は、父親を尊敬しているようです。
「 父さんはかっこええ!かなり楽しく生きとるや!」と言います。
「 どこが?」
夫は、いつも苦虫潰した顔をしています。 何を考えて この家のど真ん中に腰を据えているんでしょう。
私には、家庭生活に喜びを感じているように見えません。 嬉しく…楽しく…仕事に励んでいるようにも見えません。
まっ! それはさて置き 二人は なまこ を獲ってきました。
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バケツを覗くと・・・ うじゃうじゃ! むにゃむにゃ!
あまり快いものではありません。どちらかというと いや~ん!
栗色の体に赤い斑点のあるもの 深緑や青の混じった色合いのもの 斑点が不気味に目立つ黒色のもの
どれも イボや吸盤がぶつぶつと規則正しく並んでいます。 3つ 6つ どうやら三進等です。
奇妙な体をしたなまこですが 定まった数があると知ると少し愛着がもてます。
なんらかのさだめで この世に生まれてきたのでしょう。
いやん!
バケツの中から取り出しますが、もう既にぶら~っと腸を吐き出したものもあります。
やっぱり 何度経験してもいやん!
鮮魚専用のまな板の上に置くだけで精一杯です。
不得意なものを悟られるのが嫌な私ですが こればっかりは・・・
「自分で獲ってきた物は、最後まで責任持ってよ!」と 風呂から出た夫に 可愛くないことを言う私です。
「この内臓を干したものが珍味なんだ!」と 下処理しながら説明をする夫の手元を見ると寒気がします。
水洗いしながら 薄切りにしてくれました。
ここまでくると 後が楽しみになってきます。
すり大根と柚子の絞り汁が入った三杯酢につけます。
柚子の皮を千切りにして天盛りします。
ほら! 見た目は良くないけれど美味しいはずなのです。
は~い! いただきます。
家族皆で 海の幸をいただきました。
磯の香りと コリコリした歯ごたえがタマリマセン!
ごちそうさま~!
下処理を済ませた赤色なまこは、ご近所にお届けしました。喜んでくれたかな?